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祝賀会にて。

ふー…

(がたん

ん、だれだ?

千早「…私です。プロデューサー」

ああ、千早か。よくここがわかったな。
お前、主役じゃないか。抜けてきていいのか?

千早「プロデューサーこそ。
…ひょっとして、お邪魔ではなかったですか?」

ん、いや。そんなことはないよ。

千早「…なんだか、声をかけづらかったんですけど。
祝賀会の途中に居なくなるなんて、どうしたんです?」

ん…なんか、一人になりたくってな。

千早「…そうですか。じゃあ、私、失礼しますね」

ああ、待て待て、千早。そういう意味じゃない。

千早「?」

んー…なんていうかね。
前回の律子と雪歩に引き続いて、間を開けずにお前と亜美、真美がAランクに上がったろ。

千早「ええ」

何となく、感慨深くてな。一人でちょっと考えてみたくなった。

千早「…喜んで下さっていないんですか?」

いや。とんでもない。二組ともとても嬉しいよ。
なんて言うか、俺流の言祝ぎ方というかね。今まで振り返って、色々あったなあ、って思い出したりとか、してたのさ。
客の気を引くのに歌ったりしたなあ、とか。

千早「ああ。レコード店の店頭販売のときですね。なつかしいな…」

そういやいつだったか、お前に手をあげたことがあったなあ。今じゃ考えられないな。

千早「ふふっ、私もよく覚えてます。私、あのときはショックも受けたけど、ちょっと嬉しかったんです。手をあげられる事なんて久しぶりで。なんだか、真剣につきあってくれてるんだって思いました」

いまやAランクアイドルだもんな。あんな事でぶつなんてありえないよ。

千早「ふふふふっ。いえ。これからも、厳しいご指導お願いします」

(苦笑

…そういやさっきも訊いたが、どうしてここがわかったんだ?
こんな所、事務所の誰も滅多に来ないだろうに。

千早「どうしてって…

プロデューサーいないならたぶん、ここかな、って…」

ああ…そっか………

…なるほど。

千早「はい。」


千早「…

くしゅん!…ぐすっ」

ん、寒くなってきたな。そろそろ戻るか。

千早「ええ。きっと、亜美と真美が寂しがってますよ。
…あの子たちにも今みたいな話をしてやって下さい」

うん。そうだな。



亜美「あー!!!!兄ちゃんどこ行ってたのっ!!亜美たちほったらかしにして、ひどいよーっ!」
亜美「そうだよ!ひどいひどーいっ!」

ごめんごめん。ちょっと考え事してたんだ。これから亜美と真美のファンをもっと増やすにはどうしようかな、ってね。

亜美「えーでも千早お姉ちゃんと一緒に帰ってきたりして、あやしぃぞ〜」
千早「(苦笑」

バカ。そういうのを「下衆の勘繰り」っていうんだ。

真美「略してゲスグリー♪」

すなっ!!(笑

亜美「ねえねえ兄ちゃん、真美と2人でさっき、買って貰う物決めたんだー♪」
真美「そうそう!兄ちゃん、約束は守る人だよね?」

あ、ああ!もちろんだ!!!

真美「えっとねえ…ごにょごにょ」

(  Д)   ゚  ゚
マ   ジ   で   す   か   !!!

真美「うん! ……ダメ?」

…いや。男に二言はない。買うと言ったら買う。

亜美「やったぁ!!さっすが兄ちゃん!!」
真美「わーぃっ!よかったね、亜美!」

| Copyright 2005,11,22, Tuesday 10:24pm 瀧義郎 | comments (0) | trackback (0) |

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