THE iDOLM@STER 長編::伊織の再出発
復帰の足がかり(1)
ライブ後二日間、山本は完全に雲隠れしてしまった。
高木社長は手を尽くして山本と連絡を取ろうとしたが、あずさたちすら行き先は知らない様子だった。
メールだけには返事があったが、何を問うても「二日後に連絡します」というメールが来るばかりだった。
高木はかなり怒っていたが、それでも、風向きが変わりつつあることを感じていた。
と言うのも、ライブの日の夜には、その場に居合わせた人の感想が個人ブログなどで数多くアップされており、そのほとんどが好意的な記事であったのだ。
『そうはいっても、一般の認知度が高いわけではないからな…退くならまだ今のうちと言えなくもないが…』
社長室の液晶モニタに開いたファンサイトをながめながら、高木は逡巡する。
しかし。この機を逃す手はない。一度はあきらめた、親友の娘を救うまたとない機会である。うまくやれば一気に巻き返すことができる。
「よし」
意を決したように、高木は電話を取る。
「もしもし、オフィス・リバプールですか。下農社長は今いらっしゃいますかね。私は765プロの高木と申します」
高木社長は手を尽くして山本と連絡を取ろうとしたが、あずさたちすら行き先は知らない様子だった。
メールだけには返事があったが、何を問うても「二日後に連絡します」というメールが来るばかりだった。
高木はかなり怒っていたが、それでも、風向きが変わりつつあることを感じていた。
と言うのも、ライブの日の夜には、その場に居合わせた人の感想が個人ブログなどで数多くアップされており、そのほとんどが好意的な記事であったのだ。
『そうはいっても、一般の認知度が高いわけではないからな…退くならまだ今のうちと言えなくもないが…』
社長室の液晶モニタに開いたファンサイトをながめながら、高木は逡巡する。
しかし。この機を逃す手はない。一度はあきらめた、親友の娘を救うまたとない機会である。うまくやれば一気に巻き返すことができる。
「よし」
意を決したように、高木は電話を取る。
「もしもし、オフィス・リバプールですか。下農社長は今いらっしゃいますかね。私は765プロの高木と申します」
| Copyright 2006,04,01, Saturday 07:59pm 瀧義郎 | comments (0) | trackback (0) |